とっておきの宝物 その1「あたま無しのハト」 | DogsByNature

とっておきの宝物 その1「あたま無しのハト」

Wrote:10.19.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


リッチモンドパークでの出来事。

オーストラリア生まれ、シンガポール育ちの元気な男の子。

ラブラドール(ブラック)のバギー。

英国流で言えば、ワーキングタイプ、日本流に言えば、フィールド系。

野原に放たれると、ひたすら、ひ・た・す・ら、走る。

鼻を地面につけて、だだだだっ。だだだだだっって、

大体いつも100m先を右に左に、突っ走る。

一体何を求めて・・・・。

地面と彼のお鼻は`なかよし’のまま、はた、と立ち止まる。しっぽふりふり。

そして、数秒くんくんくんくん、しっぽふりふり・・・。また疾走しはじめる。

リッチモンドパークには、野生の動物がたくさん共存していて、
彼ら働き者の犬たちには、なんとも魅力的なニオイが満載。

風のたよりと、大地のいざないをかきまぜながら、
あっちのニオイにそそられぇ、こっちのニオイにそそられぇ・・・。
こりゃ、たまらんはず。

ある日のこと。一瞬くさむらに姿をくらませた彼。

どうしたのかな?

「ばぎぃぃ!COMEっ!」呼び戻す私。

すると、
いつもに増して嬉しそうな彼。かえるぴょこぴょこ、みぴょこぴょこ。

300メートル先、とびはねながら、
200メートル先、こっちへまっしぐら、
100メートル先・・・おやや、口になにか・・・。
至近距離、しっぽぱたぱたっ、ていうか、バタバタバタタ
顔ごと、体ごとめいいっぱい、何かを突き出すバギー。

「GOOD BOY, バギー!すごいねぇ、見つけちゃったのぉ、なにぃ見せてぇ、ドロップ」

ぽとん、

さしだしてくれたその贈り物は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハト。

もちろん死骸。し・か・も、

「・・・・。あ、あたまないじゃーん・・・(あ然)・・」

しっぽ、バタバタ、体クネクネ。(=バギー語。ね、ね、すごくない?誉めて誉めてぇ)

一瞬あ然のわたしであったが、お宝を口にしてもなお、呼ばれたら戻ってくる、
しかも、嬉々満面の笑顔で一直線に。そして、素直に引渡し、なおも誇らしげな
彼の素晴らしさに、すぐ気を取り直し、
「GOOOOOOD BOOY! GOOOD BOY!!」賛辞の嵐。

その日のお散歩の帰り、お家に送り届けた際にはもちろん、
飼い主さんにこの感動をお伝えした。

すると、バギーママ。
「WOW, Pigeon!Without head!! What a good boy!(わぉ、はとォォ、しかも、頭ないやつですってぇぇ、何てヨイコちゃーん)」
って。

ここでも大絶賛されたバギー、お耳ペタン。からだくねくね、しっぽバタバタ、舌だらりでハァハァハァ。
とっても得意げ。

今日はいい夢みれそうね。

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PS 
犬と自然の風景を歩いていると、思いがけず、犬の本質に出会います。
ラブラドールは、獲物を傷つけずに回収する能力に長けた犬種ではありますが、
このように生まれ持った資質をみせつけられると、犬好きにはなんともたまりません。

扱い方を間違え、ハンドラーと犬との間に信頼関係がない場合には、バギーのようにオフリードでの散歩中、呼び戻しにすぐ応えられること、誇らしげに見つけたお宝を引き渡すことはありません。
日ごろのトレーニング(遊び)の中で、おもちゃを使って狩りの擬似行為をし、犬の本質を満たすとともに、人とのルールを教えておくことがとても大事ですね。

ちなみに、実猟用にトレーニングする場合、口にくわえたものは指示によって人間の手に渡すことを教える方が大事です。ペットドッグトレーニングの遊びにおいては、地面に落とさせた方が手が汚れなくていいかもしれません。

もちろん、両方教え、使い分けられることにこしたことはありませんが・・・。