Lurcher's EYE 〜ラーチャの目 | DogsByNature

Lurcher's EYE 〜ラーチャの目

Wrote:10.18.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


しなやかな脚線美、バンビーノ

グレイハンドの血が流れる

そう、あなたはハンター、ハウンドドッグ

大きく真丸で謎めいた瞳 

               −その瞳の奥には何が映っているの?

立ち止まり、耳を立て、彼方を見つめたその瞬間、

視界から姿を消す。

そう、あなたはハウンドドッグ

追い駆けだしたら、止まらない、止められない
             ・・・・その獲物が息つき果てるまで。

天空が割れさけんばかりの私の悲痛な呼び声も、

                    あなたの耳には届かず

                         ただむなしくこだまする

怯え逃げ惑う、シカの群れ

イケナイ、家庭犬として幸せに暮らすあなたには許されざる行為
タイザイ、避けられなかった、止められなかった私

何百頭ものシカを一匹の犬が東へ西へ、一体ここはサファリパークか

どれくらいの時間が過ぎたろう?

あなたは急にへたり込み、ウゴカナイ。

顔面蒼白で駆け寄る私。

そう、あなたは足をひねってしまった。

以来あなたと一緒に歩くとき、

わたしの目は、‘あなた’と‘かなた’。

あなたより先に獲物(シカ)を見つけるために。
間違いを犯さぬために。

瞳の奥は、サバンナ?

       それが、あなたとわたしのラーチャ?アイ。

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PS 
ラーチャーとはグレイハウンドが入っている、いわば雑種犬のことを言います。
グレイハウンドよりは小さく、ウィペットよりは大きく、イギリスの街角では、よくみかけます。 田舎の方では、ウィペット同様、ノウサギ狩り(Rabbiting)に使っている人もいるようです。
イギリスは動物愛護先進国として有名ですが、その犬の保護収容施設にもラーチャ?はたくさん見かけます。

華奢でしなやかな体とつぶらな大きな瞳、後ろへぺたりとたおされたお耳、この全体の雰囲気が弱々しく、寂しげで、よそよそしいイメージがあり(もちろん、人懐っこく元気印のコもいますが)、ついつい同情心のようなものが沸き起こってしまいます。

ですから、保護施設の相談窓口のレポートによると、留守番が不得手だと相談される件数が多いようです。これは、犬種の特徴と言うよりは、ラーチャ?の雰囲気を好む人が同情しやすいタイプの人で、保護してからの絆の作り方が大きいと言われています。

普段は、おとなしくカウチドッグとしてソファで横たわる美しいコたちなのですが、動くものを追うときの瞬発力は大変なものです。
グレイハウンドのレースをご覧になったことはありますか?
まさに一瞬で、彼方へと走リ去るそのスピードは、時速60KMと言われます。

彼らはサイトハウンドといい、主に目を使って獲物を捕らえることに長けています。
特に、遠方の動体視力に優れ、彼らが見つめる距離感は、都会でくらす人間には想像もつかない‘向こうの方’なのです。

この特徴をよく理解し、サイトハウンド系の犬をオフリードにするときは、かなり高いレベルの呼び戻しの練習を積んでおくことが必要です。

犬にコマンドを理解させる一方で、犬のボディランゲージをよく読み、常に犬より先に獲物(自転車や猫も)を見つけられること、周りの音、動き、ニオイ、風など犬の視点で状況をつかむことのできるハンドラーの力量を養うことも、トレーニングのひとつ、と私は考えます。

サイトハウンドとセントハウンド、同じハウンドでも目の先にある距離感はとてつもなく違いますよね。




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