ロンドン回想録 | DogsByNature - Part 2

ペット可、庭付き、2LDK

Wrote:10.22.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


ロンドン市内は、家賃が高い、とても高い。

田舎から出てきた人、お金のない学生、外国人、これらの類の人は、部屋だけを

間借りしたり、友達とフラットシェア(イギリスではマンションアパートのこと

をフラットという)をするのが一般的だ。

中心部に近く、こぎれいな所で、6畳ぐらいの広さであれば、大体週90ポンド。

日本円で月約78,000円だ。 他人と台所、バスルーム共用してこの値段。

ロンドンで暮らし始めて、しばらくすると、私が犬を扱う仕事していることが口コ

ミで広がっていた。そして、時折、犬を預かってほしいと頼まれることがあった。

その頃、私はイタリア系ブラジル人のご家庭の一室を間借りしていたため、

ご要望に応じることができなかった。

しかし、ドッグトレーニング修行もライフスタイルも安定し、そろそろ引っ越してもよい

かな、という時期だったので、

ペット可、庭付き、シェア可という物件を探し始めた。

イギリスというと、動物愛護の先進国で、犬と家の中で住んでいることがあたりまえの

イメージがある。ところが、賃貸住宅の条件はあまり日本と変わらない。基本的にペット

可というところは少ないのである。

不動産屋に問い合わせても、可能性はきわめて低い。

ところが、住んでいるところから歩いて10分。つまり、ロンドン中心部に

近いZONE2というエリアに、見つけちゃったのだ。

ペット可、庭付き、2LDK、シェア可。ミューズハウス。

昔、交通手段が馬だった頃、馬小屋として使われていた長屋をミューズと言うらしい。車社会になって以来、その長屋を改装して住むことが、若者の間でウケ、今ではミューズハウスっていうと、コじゃれた一軒家、というイメージがある。

余談だが、ロンドンでいまだにミューズハウスを馬小屋に使用している人たちはいな
いわけではない。バッキンガム宮殿のお方々。納得?

そこのお家の中はフローリングでこぎれいではあったが、台所が学生寮のように全く

もって質素で、清掃が行き届いていなかった。けど、月26万円。

到底一人で支払っていける金額ではない。

この状態なら、ちょっと高すぎるんじゃぁ、と思いつつも何せ、この住宅事情のロンド

ンだ。長屋といえど、庭付きの家を借上げることなんざ、夢のまた夢。

しかし、ロンドンZONE2で庭付き賃貸物件が、そう簡単に見つかるわけがない。

あきらめるわけには行かなかった。

当然、最初からその条件が広告にでていたわけではない。

大家さんは、若い美容整形外科医でとっても気さく。

私が大工仕事が好きだと話すと、「好きにしていいよ」だって。

そりゃそうだ。ただで、壁のペンキを塗りなおすだの、キッチンの扉をつけかえるだの、

床張りなおすだの、メンテナンスしてあげるっていってるんだもの。

それから、会話の中で、こちらの要望を切り出していったというわけ。

また、親日家だったことも助けとなって、めでたく交渉成立。

契約にこぎつくことができた、というわけです。めでたしめでたし

PS サービスっていう点では、何かと日本の方が進んでいますね。

例えば、ペット共生住宅って、ニーズをとらえたすごい商品。

日本人って、やっぱり、きちんとしてるって感じます。

大家さんと直接交渉したり、口コミ情報でペット可になりうるにもかかわらず、

ペット可という条件で広告をださない、あるいは、必要がないのか・・・。

ちなみに、交渉後、ペット可となった場合、保証金を2倍支払うことが条件になることが

多いようですよ。




ちょっとしたこと  〜トレーニングの効き目?〜

Wrote:10.21.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


バセットハウンドのトミー君。

もう4年のお付き合いになる。

知り合ったときは18ヶ月の元気盛り、飼い主、老ご夫婦の悩みの種は、

「呼んでもすぐに戻ってこない。

子犬の頃、どこかのトレーナーさんに基本的なしつけをうけたのだが。」。

その頃、私は師匠ジアーニのもとで修行をしていた。 (more…)




とっておきの宝物 その1「あたま無しのハト」

Wrote:10.19.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


リッチモンドパークでの出来事。

オーストラリア生まれ、シンガポール育ちの元気な男の子。

ラブラドール(ブラック)のバギー。

英国流で言えば、ワーキングタイプ、日本流に言えば、フィールド系。

野原に放たれると、ひたすら、ひ・た・す・ら、走る。

鼻を地面につけて、だだだだっ。だだだだだっって、

大体いつも100m先を右に左に、突っ走る。

一体何を求めて・・・・。 (more…)




Lurcher's EYE 〜ラーチャの目

Wrote:10.18.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


しなやかな脚線美、バンビーノ

グレイハンドの血が流れる

そう、あなたはハンター、ハウンドドッグ

大きく真丸で謎めいた瞳 

               −その瞳の奥には何が映っているの?

立ち止まり、耳を立て、彼方を見つめたその瞬間、 (more…)




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なぜオフリード?

Wrote:05.23.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


イギリスに住んだことがある人なら、一度はみな目にしたことはあるでしょう。
公園で走り回るオフリードの犬。

ロンドン市内にはそれが許される、広い公園がいくつもある。有名なところは

ロンドン中心部の一等地(高級地)にあるハイドパーク(350エーカー)、ケンジントンガーデンズ(260エーカー)、リージェンツパーク(410エーカー)
高級住宅街ハムステッドにあるハムステッドヒ?ス(790エーカー)
高級住宅街リッチモンドにあるリッチモンドパーク(2500エーカー)
高級住宅街チェルシー近くにあるバタシーパーク

1エーカーは約4,049?=約1,224坪
ちなみに、リッチモンドパークは東京都中央区とほぼ同じ大きさです。

ロイヤルパーク(王立公園)やロンドンシティのオープンスペース(市立公園)ロンドンバゥロゥオブ○○○○(○○○○区立公園)というように公が所有。

上記の公園以外にも、住宅地には随所に芝生のオープンスペースがある。

特に王立公園は造園管理、環境美化が整備され、安全のため、パークポリス(公園用の警察?、一般の市警ではない)が車で巡回。公園に対する公共サービス精神が伺える。

余談だが、パークポリスには護衛犬ジャーマンシェパードがお供している。
この護衛犬の役目は、ハンドラーである警官を守ること。
例えば、職務質問中、ハンドラーに危険が及ぶと判断された場合、攻撃的に吠え掛かることが仕事です。その場合はもちろん、ハンドラーの指示によって、その吠えはコントロールされなければいけなく、イギリスの護衛犬は法律上、噛み付くことは許されていないと聞いたことがあります。つまり、犬を攻撃の道具として使わないとする英国人の心意気。また、犯人を追求したり、迷子の捜索をするのではないので、警官たちは大抵、車で巡回していて、犬は車の後部にのっていることが多く、残念ながら、ハンドラーと歩く姿はお見かけしたことはない。

さて、なぜ、そんな公園が温存されているか、ではなくて、なぜ犬が公園でオフリードでいられるのか?について・・・。

ロンドンに住み始めたばかりの頃、目に映る犬たちのいきいきとした姿にただただ感動。

ある日、犬のお散歩中の男性に尋ねてみた。

私 「日本では犬が公共の場でオフリードにされることはまずないのですが、なぜイギリスではできるのでしょうか?」

男性「ええっ、じゃあ日本の犬は日常生活の中でオフリードにされることはないの?」

(私が尋ねたのに逆に驚かれ、聞き返されてしまった)

私 「室内飼いの場合や、犬舎飼いの場合以外はつながれていることがあたりまえだと思っています」

男性「犬って4本足だし、犬だからね。走りたいんだと思うだ。僕たち人間と同じ動物と言う立場でみれば、人間が使う公園で犬が走れないってことのほうが不平等に感じるけど・・・。」

ショッキングでした。だって、この人は普通の人。何も動物愛護崇拝者でも愛好家でもないわけです。犬が人と同じ生き物として、公園の自然を共有してあたりまえって感覚、わたしにはショッキングでした。

こういった普通の人の感覚こそ、長い歴史とともに彼らの生活の中に根付いているもののように思います。物心ついた頃から、犬はそういうものだって普通の人が感じ、その環境があるってこと。

王立公園はもともと、16世紀から19世紀にかけて貴族の猟場、庭園として作られたもので、特権階級の人しか使えなかった。しかし、時代を経て、今は階級にかかわらず、一般に開放され、都市空間の一部として誰もが利用できることがあたりまえ。

貴族の猟という特権階級のスポーツにおいて犬が活躍し、犬がそういった環境でオフリードなのがあたりまえだったという背景もあったのかもしれません。

オフリード=動物愛護の精神、ではありません。

家の祖母がこんなことを話してくれたことがあります。
「昔も結構つながれていない犬をみたもんだけどねぇ。ご近所の犬のクマ君がおとなりの犬のはなちゃんに恋しちゃってねぇ。クマ君は毎日はなちゃんの家の前まできては、ずーぅっと座って待ってたものだよ」

狂犬病の発生・未発生という側面もあるかもしれません。今イギリスでは狂犬病は発生していないと言われ、狂犬病予防注射も義務ではありません。

イギリスにおける犬のしつけ相談で多いもののひとつに、「呼んでも戻ってこない」
があります。

これは、オフリードにする機会が多いイギリスならではですね。つまり、

オフリード=十分にトレーニングされている犬、ということでもないのです。

家の中や誰もいない場所では戻ってくるのに、他の犬がいたり、ニオイの違う場所では、夢中になってしまうと、呼んでも戻ってこない、という話はよく聞く話です。

この状態の犬がオフリードの時一番困るのは、ネコや野生動物、自転車、子供を追いかけることです。他の動物をむやみに追う事は、捕まえたり、傷つける以前に動物に脅威を与えることであり、家庭犬が他の動物に脅威を与えることは許されていません。また、自転車や子供についても同様です。動くものを衝動的に追う行動以外にも、食いしん坊の犬は、ピクニック中の他人の食べ物にそそられて、呼び戻しがきかないこともあります。

いずれにしても、公園利用者はみな犬好きなわけではないことを念頭に、周りに迷惑がかからないようにするには、この呼び戻しが何よりも何よりも大事。

しかし、この公園環境は、一部の犬連れのマナーの悪さ、モラルの低さにより、犬の迷惑行為が取り上げられ、年々自由が少なくなっていくと言われています。

飼い主のモラルが低下しているのか、社会の目が厳しいのか・・・・。

地域の犬好きがドッグトレーニングクラブをもち、同好会のような形で地域貢献の活動としてのしつけ教室が一般的なイギリス。

一見うらやましくもあるこの犬の自由と環境は、英国ケンネルクラブ始め各種団体、地域の草の根活動的なしつけ教室のインストラクター達、が総力をあげて、飼い主しつけ教育、社会啓蒙教育活動に取り組んできた結果、今のところ、温存されていると言えるかもしれません。

ぜひ、守りつづけていってほしいものです。




犬の態度、ママとトレーナーの違い

Wrote:05.21.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


ニューファンランドのプレスリー君。

彼は月曜日から金曜日の毎日、午後のクラスでお散歩。

師匠ジアーニが彼と歩くとき、リードはほとんど使いません。

けれど、ある日、首にスプレーカラーをつけているのを発見。

「あれ?今日だけどうして?」

「僕と一緒にいるときは、いつものとおり必要ないんだよ。

1年ぐらい前、彼の飼い主さんに赤ちゃんができて以来、人や犬に吠え付くようになってね。飼い主さんがこれを使うようになったんだ。

最初のセッションで彼には効き目があったみたいだから、もう今はスプレーを出す必要はないんだけど、飼い主さんにとっては、このカラーをつけておくだけで、ちょっと安心できるらしいんだ。

何せニューファンランドは大きな犬だからね。興奮し出すと、周りの人も驚くし、飼い主さん本人もコントロールに自信がないようでね。

飼い主さん、朝のお散歩から今日はとり忘れてるんだろうね。」

「ふーん」このときはひとごとのように聞いていた。

しばらくして、プレスリーが私に随分なついたので、私が担当させてもらえることになった。

公園でいつものとおり、おもちゃで遊んでいたところ、他の犬が私たちに近づいてきた。すると、プレスリーはしっぽをぴんと立て、唸った。

まさかの瞬間、その犬とプレスリーは‘ガウガウッ’・・・。

「LEAVE!」私がコマンドを出そうが、相手が引かない限り、プレスリーにも危険が及ぶ。両者引き下がらない。

ゆっくり近づきプレスリーの背後にまわる。

タイミングを見計らい、後ろ足から腰をもって、引き離す。

相手の犬の飼い主は、まだ姿を現さない。

もう一度、「LEAVE」の一喝。相手の犬の興奮もやや収まり、二人は離れた。

そこへ、巡回中のパークポリスの車が止まる。

「KEEP YOUR DOG UNDER CONTROL
(自分の犬をちゃんとコントロールしなさい)」

と痛いお叱り。こういう時は、素直にごめんなさい、といって素早くリードがついていることを見せ、犬にフセをさせ、落ち着いた態度を見せることが何よりも大事。

そうなんです。相手どうこうという前に、自分が犬をコントロールしているか、が問われるのです。つまり、犬が絡み合う前に呼び戻していれば、未然に防げたことなのだから。

誰よりも愛されたくて、人が大好きなプレスリー。公園で他の犬とすれ違うことは、日常茶飯事だし、こんなに怒った姿をみたとはなかった。

こんな場面が訪れると予期できず、コントロールしきれなかった自分。

スプレーカラーをつけていなかったから、ということが問題であろうか?

ジアーニと一緒のときにはまず起こらない。

トレーナーさんのいうことは良く聞くのに、私の言うことは聞いてくれない、よく耳にする話です。

一体何が違うんだろうか?

それは、この後5年間、そして今も、私の追求するテーマのひとつ。

おこがましながら、私の観察、経験から考えをまとめてみました。

 

違い1 日頃の関係日常過ごす時間、その過ごし方
例えば、室内飼いで日頃から話し掛けたり、触ったりする場面の多い飼い主とそういう時間を過ごす時間が少ないトレーナー
日頃、お留守番やつなぎっぱなしの時間が長くて、えさをくれるだけの飼い主と遊びやお散歩を通じて、楽しい時間を一緒に過ごしてくれるトレーナーいずれにしても、トレーナーと過ごす時間は、何か意味深、もしくは特別って犬も認識しやすい。

違い2 態度
トレーナーは犬の行動を理解した上で、あいまいな態度は取らない。
犬を扱うときの態度が自然に、クール、落ち着いていることが犬に伝わる。
言い換えれば、トレーナーは態度によって、犬語を発している

違い3 眼光
よいトレーナーほど目でものを言う
犬は声の会話よりも態度や目つき、顔の表情をよくみている。
鋭い眼光、優しいまなざし、これも犬語。一般の人はなかなか目でものがいえない。

違い4 犬の行動の読み取りの早さ
トレーナーは犬の動きをよく読み取れ、犬が次に取りそうな行動を予期できる。
よって、的確な指示を自然に適時に出している。

これらが組み合わさって、犬がトレーナーの言うことを自分より聞いている、ように見えるだけで、実際は行動を先読みし、的確な指示をだせるかどうかがポイントなんですね。

 

今だから、わかること、あの時何がいけなかったのか。
1.近づいてきた犬の態度が‘威圧的’であったこと、にすばやく気づかなかった自分
2.それにプレスリーも引き下がらず、‘威圧的’な態度を示したこと、に対応しなかった自分
3.そこに、仲間とおもちゃ、というかれにとって守るべき大事な存在があったこと、プレスリーが引き下がらない可能性が高いこと、への自分の理解不足

もし、これを瞬時に読み取れ、次の事態が予測できていたら、
4.自分の声や動きによって近づいてきた犬から気をそらし、自分の方へ注意を引くできれば、犬同士の距離をとるように誘導する
=呼び戻す際の精神的余裕ができる

5.呼び戻しをする
=肉体的に自分が届く範囲内に犬を置くことで、相手の犬を自分の犬に接触させない

6.さらに、必要ならば、リードを短くもったり、カラーをつかみ、プレスリーは自分の管理化であることをプレスリーにも相手の犬にも知らしめる、理想的には、フセやオスワリという指示、行動によってプレスリーの動きを制する

4から6は、状況によって微妙です。
臆病な犬はリードをつけられることによって、逃げ場はないと感じ、攻撃的な態度にでることをあと押ししてしまう可能性があるからです。
基本的に臆病な犬は、足が速くて逃げ切れるようであれば、リードにつながない方が安全かもしれません。けれども、怖さで逃げ惑うあまり、戻ってこれない場合、逃げるスペースが狭すぎて、すぐに追い詰められる場合、逃げ込む安全な場所がない場合は、ハンドラー自身が相手の犬を追い払うことの方が肝心でしょうね。

プレスリーのように、臆病なのではなく、威圧的な場合は、ハンドラーに状況判断の主導権があることを犬に知らしめるため、動きを制する形の方がベターでしょう。
いずれにしても、相手の犬の態度、しつこさによっても対応は違うでしょう。

こんな一件があって以来、私はプレスリーとトレーニングのおさらいの時間を増やしました。

それから、しばらくして、偶然、プレスリーのママに公園で出会いました。

ジアーニとプレスリーのママは立ち話。

その間、少し離れたところで、プレスリーは私とゲーム。

他の犬が私たちの方へ興味ありげに近づいてきました。

「プレスリー、LEAVE」

すかさず、小声で指示した私。また、自分では無意識かもしれないけど、恐らくこのとき同時に、寄ってくる犬をにらんでいたでしょう。
「寄ってこないで。」を伝えるために。

このとき、プレスリーは私たちの近くにいたので、放っておきなさいの意味の「LEAVE(リーブ)」です。
もし、プレスリーが手の届く範囲内にいなければ、呼び戻しの「COME(カム)」です。

プレスリー君は私のほうに顔を向け、「何かあったの?」の様子。
他の犬は、「相手にしてくれなさそうだな」の様子。
何事もおこりませんでした。

そして、その光景を見ていたジアーニ。
「最近、プレスリーはキョウコのことしか言う事聞かなくてね」

と軽くウィンク。

誇らしげな私でした。

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PS 
いつも他の犬と接触させない、というわけではありません。
相手の犬の態度や性別によって、トラブらないと判断したときは、あいさつさせてあげたり、顔見知りの気のあった犬なら、追いかけっこをすることもあります。
けれども、基本はいつも他の犬にあいさつする前に、呼び戻す。それから「OK」の合図によって、あいさつに行かせてあげます。

これを怠ると、犬に限らず周りの気になるものを、ハンドラーの指示よりも優先する傾向がでてきてしまいます。

言い換えれば、どんな状況でも呼ばれたらすぐハンドラーのもとへもどるというルールを常に強化するため。いざというときの呼び戻しができるためには、こういった状況を利用して常に、自分の気になるものより、ハンドラーの呼び戻しが優先という
ルールを教えていく必要があります。

「呼んでも戻ってこない」「自分の都合のいいときしか戻ってこない」
という裏には、呼び戻しのルールもしくは定義をハンドラー自身がきちんと理解していないことが原因である場合が多い。日頃の付き合いのなかで、呼んでも反応しなくていい、という犬の態度をまぁいいか、で容認してきているので、肝心なときだけ呼び戻したくても呼び戻せない、というだけなのです。

犬の言い分
「呼ばれたからと思って戻ったのに、リアクションないんだよね。意味ないじゃん」「ものすごくエキサイトしていて、こわそうだから戻る気しない」
「呼ばれてるのかどうかわからないから、自分の好きなことをする」
「呼び戻し、呼び戻しっていうけど、呼ばれたらすぐに、いつでも、なんて誰がきめたん?」




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5年間の始まり 〜ドッグトレーナーと出会うきっかけ

Wrote:05.20.2006
カテゴリー:ロンドン回想録


イギリスにたどり着いて間もない頃、

知り合いも友達も誰一人として、相談できる人はいなかった。

そもそも、イギリスを選んだ理由は、ヨーロッパの英語圏であること、憧れの国であること、何より動物愛護の先進国であることで、知り合いのつてなど気にもしなかった。

当時、地方公務員として平穏な暮らしをしていた私であったが、愛犬、りんたろうとの出会い、そして、30歳を前にして、犬との暮らしを充実させる仕事への思いをはせていた。

また、一度は冒険したことのある外国生活(25歳のときにカナダ滞在1年)、明確な目的がなければ、母国で過ごすように安易に暮らしていけないことは承知しつつも、バイリンガルという人生の目標が断ち切れずにいた。

そして、その年、2001年、願ってもないチャンス、イギリスワーキングホリデーが始まる。

このチャンスを逃せば、二度とチャレンジすることはない!そう思った私は、「犬と人との暮らし」をテーマに旅に出た。

まずは、ユースホステルの仮住まいを拠点とし、部屋探しから始まった。

イギリスにいて、日本人と生活しては意味がない、とやせ我慢を決め込み、日本人コミュニティという安易な情報入手経路を拒み、英語のローカル新聞を頼りに部屋探しをした。

アポをとるのに便利な携帯電話1つ買うことも、手間取った。
何せ、Pay As You Go(日本でいうプリペイド方式)の意味が全然わからず、お店のお兄さんに聞いても、その英語がわからないのだ。短期滞在で銀行口座がイギリスにない場合、月額払いの契約はできず、プリペイドを買わねばならない、と理解するのに時間がかかったのだ。

今思えば、なんとも不器用なスタートだ。

下手な英語でアポをとりつけ、なれない交通手段をつかい、市内を歩き回った。

人種のるつぼロンドンで、言葉もままならない自分と、ロンドン住宅事情がようやく見えてきた。

そして、日本人相手に部屋を貸しているイギリス人との同居という形で妥協することにして、ようやく、ロンドン一等地ピカデリーサーカスにあるジャパンセンターに足を向けた。

やせ我慢だの、妥協だの、今思えば大した強気である。

さて、ロンドン暮らしに興味のある方に少しだけ、ロンドンの部屋探しのおさらいを。

お金のない外国人が選ぶ生活形態は、間借り。私のように、新聞広告やコミュニティの掲示板のチラシを頼りに直接交渉する方法はめずらしくない。

まずは、電話やメールで連絡し、「お部屋はいけーん」のアポをとる。大抵、電話口で簡単に身元調査をされる。それから、実際にお部屋を見に行く。そして、お互いの身元調査インタビューになる。とはいえ、大抵はざっくばらんな会話の中から相手を探る、といった感じだ。そして、お互いが気に入れば、入居時期を決め、支払い、といったパターン。

相手がビジネスとしてやっているか、プライベートで小遣い稼ぎをしているかによって対応は様々だが、不動産やとか斡旋業者を通さない限り、間借りにおいて、契約書を交わすことは少ないかも。ただ、支払の領収書ぐらいはきちんと書いてくれる相手を選んだ方が無難。

話ももとに戻そう。

部屋探しを始めてから10件目。
ここでも、ご他聞に漏れず、「何やってるの?なぜイギリス?どれくらい住みたいの?」等々、口頭インタビュー。

・・・イギリスにおける犬と人との暮らしに興味があって・・・イギリスに着いて1ヶ月ほど、市内観光もかねてお部屋探しをしながら、市内の公園をめぐりをし・・・・犬が公園をオフリードで悠々と歩く姿、イキイキと走り回る姿に非常に感動しました・・・・

そんな話をした。

すると、その大家さん「あぁ、きっと君の力になれる人知ってるよ。良かったら、紹介してあげる。」って。

その人とは、以前大家さんが家を売った相手で、ドッグトレーナーとしてロンドンで成功しているとか。

イギリスに着いて1ヶ月、部屋探しにはほとほと疲れ果ててきたころでもあったし、活動の糸口としては願ってもない話だった。

「入居の有無にかかわらず、紹介はしてあげるから」
ありがたいお言葉だった。家賃や周辺環境も悪くなかったし、せっかくなので、その家に引越すことにした。
そして、大家さんの計らいでその人物に会わせて頂くことになった。

この出会いが、その後5年間もイギリスに滞在していける大きなきっかけになるとは思いもせずに・・・。





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